痴呆専門医ってどんな人?

痴呆専門医ってどんな人?

痴呆専門医は本当に貴重

とはいっても、私たちが痴呆症という病気に正しい理解を得られたのも、専門医との出会いがあったからです。「家族が想像している以上に、お父さんの苦痛は大きいのですよ。わからなくなっていくことへの不安は、本人をとても苦しめます」この言葉はそれ以降、父の対応にてこずつたり落ち込んだりしたとき、いつも私の大きな支えとなりました。

 

痴呆症はとてもむずかしい病気です。医師といえど、経験がないと素人と同じです。信頼のおける痴呆専門医との出会いは介護する者の気持ちを楽にします。ひいては介護を楽にするコツにつながります。もちろん、介護者としてどのような介護をしたいのかを根気よく医師に訴えることもたいせつです。痴呆の約一割は治療が可能だといわれています。

 

 

たとえば脳腫瘍が原因の痴呆は外科的治療が可能です。また難病のアルツハイマー病でも新薬が登場し、進行を遅らせることができるようになりました。このため初期に専門医の診断を受けることが重要になりますが、家族は対処の仕方がわからず何年もほうっておくことが少なくありません。

 

痴呆症の初期症状の様子

母が在宅介護になってから一年を迎えようとしていたころのことです。まだ痴呆症状が現われていなかった父が、甥に誘われて故郷の新潟まで出かけることになりました。父の気分転換になればと思い、私も姉も同行したのです。五時間あまりの車の旅です。頻繁に尿意を訴える父に配慮して高速道路のエリアで休み休みの帰省です。

 

 

途中で昼食をとり、日本海のはるか先に浮かぶ佐渡ヶ島を臨んで、みんなで写真を撮りました。父はずっと上機嫌でした。長旅は無理だろうという出発前の心配も杞憂に終わり、思いきって出かけてきてよかつたとほつとしたものです。父は親類たちとの再会を喜んで、終始にこやかな対応をくずしません。ときおりぼ― つとしていることもありましたが、私たちもそこに居合わせた人たちも、いつもと変わりのない元気な父の脳内で異変が起きているなどとは少しも疑いを持ちませんでした。ところが家に帰り着いた父は、仕事を休み帰省のお供をした私に「」くろうさま」2言葉をかけるどころか、伯父さん叔母さんからいただいたお土産の分配の仕方が悪いといって激しくなじるのです。


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